電力事情

中国でも電力自由化への動きがあった?!実は複数の区域で試験的に行われていたんです!

今や経済大国として知られる中国でも
電力自由化への取り組みが以前から行われています。

ただ、完全な電力自由化が実施されたわけではなく
いくつかの区域に限定しての試験的な試みです。

電力体制改革

中国で電力自由化が始まったのは2002年、中国政府は電力体制改革として
国が管理していた発電部門と送電部門を分け、それによって
国家電網公司、南方電網公司、中国華能集団公司、中国大唐集団公司、
中国華電集団公司、中国国電集団公司、中国電力投資集団公司
という7つの企業が誕生します。

仕組みとしては
中国華能集団公司、中国大唐集団公司、中国華電集団公司、
中国国電集団公司、中国電力投資集団公司の5社が発電する電力を
国家電網公司、南方電網公司が送配電するというものです。

あらゆる企業が自由に参入できるというよりは複数の電力会社を作りその会社に
電力体制を任せるといった形で、試験的な自由化という意味合いも強く見られます。

一部区域に限定しての自由化

試験的な自由化ということで自由化されたのも
中国全土ではなく一部の区域限定です。

それが東北地区、華東地区、南方地区などでこれらの区域では
電力市場が自由化され、電力取引を自由化したり企業間の競争を産むといった
自由化の目的が達成されます。

電力価格の決定に関しても卸売りにおいて入札制度が利用されるようになります。

試験的な試みなのでこれらの区域で電力自由化が上手くいけばその範囲をさらに広げ
最終的には中国全土で電力自由化を実現しようという目論見があったのでしょう。

また、中国という国にとってどんな電力体制が良いのか、
それを見極める目的もあったようです。

自由化の結果

こうして一部区域限定とはいえ電力自由化が実施された中国ですが
この試みは現在では中断されている状態です。

電力不足が発生し卸市場が想定していたように機能しなかった、
送配電部門の分離が実施されないまま停滞してしまったなど理由はいくつかありますが
いずれにしても当初の予定通りには進まず、
その結果として一部区域で行われていた試験もストップしているのです。

試験が上手くいかなかったことで今後の自由化の取り組みについても不透明で
中国において電力自由化がどうなるのかは予測が難しくなっています。

それだけ電力自由化が難しいということの証明なのかもしれません。

電気料金の改定も2回しか行われず
国民にとってもメリットがあったとは言い切れない結果に終わっています。

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