電力自由化Q&A

電力自由化でCO2排出量は減るの?これって、温暖化防止に貢献してることなの?

電力の自由化は、CO2削減にある
電力の自由化というと、今では、再生可能エネルギー(風力、太陽光、水力発電など)を原子力発電にかえてその動きを広めていくという流れがあり、それが電力の自由化という枠組みといった解釈をされているのではないでしょうか。これは完全に間違っているわけではないのですが、そもそもの電力自由化論議では、「原子力発電にかえて」、という表現は当然ありませんでした。

電力自由化の背景
日本のCO2排出量の約30%は電力会社によるものです。国際的な環境問題が山積していて、CO2による地球温暖化に対して国としてどう手を打つかというとき、その役割を引き受けたのが電力会社だったということなのです。

電力自由化の本来の目的
(1)価格を下げること
これは、一般的な事ですが、欧米に比べ2〜3倍と言われていた電気料金は、当時のダウンした経済状況の日本にとって産業を盛り返してく上でのハードルになっているということで、電気料金を価格競争にすることで、価格の低く抑えようとしたのです。

(2)自然エネルギーの導入
これも前述の通りですが、電力会社はCO2排出量トップの会社です。全国に張り巡らされている送電線ネットワークは、CO2だらけの電気が流れていて、人間で言えば、生活習慣病を起こしそうなドロドロした血が流れているようなものです。
それを、再生可能エネルギーによって、ドロドロした電気を少しでもサラサラにしようということです。

2015年の夏に、WWF(世界自然保護基金)ジャパンが、「小売電気事業の登録の申請等に関する省令案」に対して発表した意見書のなかでも、電力自由化とCO2のことについて触れられていました。
大きくわけてそのポイントは2つあります。

まず、利用者が電力を買うときに、その電気はどのような原料から作られたものなのかというデータを利用者がすべてわかるようにすべきだと訴えました。電気を作る方法はさまざまあります。原子力発電なのか、火力発電のようにCO2を排出してしまうシステムなのか、太陽光や水力などの環境に優しい再生可能エネルギーからなのか、何から作られた電気なのかを公表してほしい、自分たちがどんな電気を使っているのかを知る権利があるはずだということです。
また、契約してからも利用者に対して情報を明示し続けることも求めました。省令案の中では、契約するは利用者への説明がありますが、その後の利用期間においては説明するかどうかの記載がありません。環境への理解を促進していくためには、利用者の一人ひとりが電気が作られる段階でどれくらいCO2が排出されているのかを示したほうがいいと主張しました。そうすれば次第に、環境に優しい電力を提供している企業を選ぶ動きが増えて、地球温暖化対策の一助になるはずです。

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