スマートメーターとは、情報通信機能を持っている高機能の電力メーターです。スマートメーターはただの電力計量計ではなく、他にたくさんの機能を兼ね備えています。電力会社から、電気料金についてのさまざまなメニューやサービス、また安全のためのセキュリティサービスなどを提供してもらえる他に、なかなか帰れない実家に住んでいる両親や一人暮らしをする高齢者を見守る機能や、彼ら彼女らへの福祉や介護面での支えとなる機能を持ったサービスまで考えられているのです。
スマートメーターを導入するにあたっての課題
スマートメーターの導入を進めていくにあたっては、それなりに課題があります。各電力会社のなかに、どの時期までにどれだけの数を導入していくのか。さらに、スマートメーターはただの電力計量計ではなく、たくさんの情報を行き来させる機能を持っていますので、個人情報を始めとするプライバシー保護は重要で、そのためのセキュリティシステムの構築や情報の管理の仕方などなど、導入にあたってクリアしなければいけない課題は数多く存在するのです。こうした問題を解決するために、経済産業省は有識者を集めて「スマートメーター制度検討会」というものを設立し、議論を繰り返してきました。
スマートメーター導入は国家政策の一つ
スマートメーターをどれくらいのペースで導入していくかに関しては、国が発表した「エネルギー基本計画」というものの中で示されています。その中では「2020年代のできるだけ早い時期に原則すべての需要家に導入する」となっています。ここで言う需要家というのは、各家庭はもちろんのこと、オフィスや商業施設、工場などの電力を必要とするさまざまな場所ということです。
「スマートメーター制度検討会」では、電力会社が計画している導入予定を前倒しして、できる限りスピーディーな目標達成にこぎつけたいという話になっています。昨年まで東京電力や関西電力などの一部でお試しとして導入がスタートしたものが、今年から2020年代の早い時期に向けて日本国内の10の電力会社で導入しようという動きになったのはそういうわけなのです。
スマートメーターが我々の生活に及ぼす影響とは
スマートメーターを導入すると、テレビや冷蔵庫などの家庭内のさまざまな家電製品とつながり、その電力使用量が一目でわかるようになります。これにより省エネの意識を植え付けることができるかもしれません。また、最初に挙げたように、実家に住んでいる両親や一人暮らしをする高齢者を見守る機能も期待できます。各家庭の電気の使用状況をスマートメーターで見られることによって、離れていてもその生活の具合がわかるということです。