電力自由化Q&A

アメリカでは電力自由化後、大規模停電が多いっていうけど、どうして日本は大丈夫なの?何が違うの?

電力自由化によって停電しやすくなったり、どの会社と契約するかによって電力供給が不安定になったりするのではという声もありますが、そのようなことはありません。電力は水道やガスと並び、人々が生きていくために欠かすことのできないインフラなので、契約先によって利用者の生活が不安定になることがあってはいけません。そしてそのための仕組みがしっかり決められているのです。具体的にどのようなものなのでしょうか。

自分が契約している電力会社だけが故障して停電することはないのか
これは、電気が流れている仕組み上、起こりえないことです。電力自由化では、同じ電線の中にたくさんの会社の電気が流れることになります。X社、Y社、Z社などさまざまな会社の電気が、まるで川のように電線の中で流れているというとイメージしやすいでしょうか。
各家庭は、この川(電線)から水(電気)をくみ上げていて、そのくみ上げるためのポンプにはそれぞれメーターがついています。電力会社はそのメーターによって、契約者がどのくらいの量の水を使用しているのかを把握しているのです。メーターを確認して、各家庭で使われたのと同じだけの量の水を川に流してあげることで、電力を供給しています。この一連の流れが、電力会社から電気を買うということなのです。
ここでたとえばX社で何か故障が起こってしまって、電気を供給することができなくなったとしましょう。この場合、あなたの家庭につながっている電線に電気が一切流れなくなるということになるでしょうか。
前述の川の話を理解していれば、そんなことはないということがわかるはずです。川にはさまざまなところから来た水が混ざり合って流れているので、どの会社のものかはわかりません。X社が電気を供給できなくなってしまっても、あなたの家庭につながっている川の中から水は供給され続けて使うことができます。

さまざまな電力会社が存在していることで停電しやすくなってしまうのではないか
電力自由化がされてからも、利用者のもとへ送電を行う送電会社が、電力のネットワークの管理や停電時の対応までを行うということに変わりはありません。利用者がどの電力会社と契約を結んだとしても、送電会社に対して支払う共通の料金が電気代に含まれています。送電会社はその料金を受け取り、責任を持ってネットワーク管理やシステムの維持をするという仕組みになっています。
これらはすでに卸売りや小売りを対象に全体の約6割の電気販売量が自由化されており、新規参入の企業もあり問題なく運営が行われている現在の状況と変わりがないので、電力自由化されたからといって、停電が増えるということは想定されにくいのです。

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