飛躍的に発電効率を高め、2020年には50万kw級の発電も可能にするといわれている
「石炭ガス化複合発電(IGCC)」をご存知でしょうか?
こちらは、石炭を利用した発電システムの世界で
とても注目されている画期的な技術です。
これから概要からメリットまで分かりやすく説明していきますので、
以下の記事にご注目ください。
石炭ガス化複合発電(IGCC)とは?
石炭火力発電では、従来型石炭火力の発電効率が良くなることが理想ですが、
石炭ガス化複合発電(IGCC)はまさにそれを実現した発電システムです。
石炭火力といえば、ボイラーの中で石炭を燃やして蒸気を発生させ、
この蒸気の力でタービンを回して発電させる「従来型石炭火力」と、
燃料を圧縮した空気の中で燃やすコンバインドサイクル発電システムがありますが、
IGCCはこの二つを組み合わせてさらに発展させたものです。
すなわち、ボイラー+蒸気タービン+ガスタービン+ガス化炉の機器構成で、
石炭をガス化炉内でガス化させ、発生した燃料ガスをガスタービンに送り込み、
さらにそれを燃焼させてガスタービンを回し、ボイラーに高温排ガスを導き
蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回転させています。
これが石炭ガス化複合発電といわれるIGCCの概要です。
発電効率を高めて地球温暖化対策に貢献
いかなる発電システムにおいても、発電効率を高めることによって
地球温暖化対策に貢献することが求められていますが、
石炭ガス化複合発電(IGCC)ならそれができます。
なぜなら、IGCCではガスタービンと
蒸気タービンを組み合わせた発電ができるからです。
それができるのは固体化させた石炭をガス化できるからですが、
この発電システムによって、従来の石炭火力と比べて
かなり発電効率を良くすることができるのです。
どのぐらい良くなるかというと、従来の石炭火力の発電効率が約42%
だったのに対して、IGCCなら商用ベースで48〜50%です。
これにより、CO2排出量においても石油火力と同等になります。
利用炭種が拡大する
IGCCの利点といえば、発電効率の向上とCO2削減による
温暖化対策への貢献ですが、実はそれ以外にもメリットがあります。
それは、灰融点が低い石炭でも適合できることです。
これは何を意味するかというと、利用できる炭種が拡大するということになります。
従来の石炭火力では利用できない石炭もありましたが、
IGCCではその利用範囲が広がるということです。
石炭が最も資源量が豊富であることを考えれば、
これは大変なエポックだと言わなければなりません。