電力事情

今までの日本の電力業界はどうだったの?現在までの歩み

日本の電力事業は戦前から始まっていた!

日本には電力会社が1880年代頃から存在していて、当時は街のスーパーと同様に、
誰でも電気を発電して売ることが出来たので、戦前の日本には、何百という
電力会社がありました。

その頃の電力会社は今ほど大きい発電施設は持っていなかったため、小さな水力や
火力の発電設備による発電が主でした。

それを、各社が個別で近所の会社うや工場などに電線を繋げ、売っていました。

第二次世界大戦後は「電力国家管理法」が定められ、
北海道、東北、関東、中部、北陸、関西、中国、四国、九州という
9つのエリアに電力業界を分けました。

「地域独占」という各エリア原則1社ずつの電力事業を行っていくということに
なりました。

その後は沖縄電力も加わって、10社の電力会社が地域ごとに日本全体の
電力事業を担っています。

「地域独占」は、電気を消費者に届ける流れである、発電、送電、配電、売電を、
その地域の電力会社が一貫して行うことを言います。

実際に電気を作ること、そこで作った電気を各地域に送ること、消費者に電気を
売って利用してもらうことも、全てこの10社が地域ごとに独占していました。

お互い競争せずにやっていこう、ということになったのです。

電力会社の間には全く競争がないため、「電力の安定供給」をひとつの大きな
目標として仕事が進められて、設備投資などを計画的に行うことができました。

もし、一般企業のように競争があったのなら、
「本当にここで発電設備を作っていいの?」
「経営的に考えたら建設しないほうがいいのでは?」などという考えが
生まれてしまいます。

そうなってしまうと、地方に電力が行き届かなくなってしまう可能性もあります。

しかし、日本の電力会社は、そのようなことを考えず、確実に電力を供給
することを念頭に、計画的に設備投資を行いました。

その結果、日本全体の経済・産業発展に大きく寄与することができました。

このような既存電力会社の市場独占により、日本では、非常に設備投資が
充実していて、その結果、世界でもトップクラスの電力品質が保たれることに
なりました。

トップクラスの品質というのは、2つあります。

1つは「電圧や周波数が一定に保たれている」ということです。

一定に保たれていないと、電化製品が故障してしまったり、工場で製造される製品に
欠陥が出たりしてしまいます。

2つ目は「停電が少ない」ということです。

既存の電力会社は公益事業を、安定的に電力を供給するものとして設立されました。

電気の品質維持だけでなく、台風や地震などの自然災害が起き、停電してしまった
時でも、早急にしっかり復旧を行うことに対して強い熱意と使命感を持って行ってきました。

そのような点が、世界的にも非常に高く評価されてきました。

電気料金に関して、世界的にみると安いわけではありません。

しかし、アメリカやヨーロッパの国々と比べると、そこまで高くなく、比較的妥当な
水準で推移してきました。

安定した電力環境の基盤をつくりあげたのは、
電力会社の「地域独占」

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