電力自由化Q&A

Q.電力自由化によるデメリットとは?

A.電力会社の経営破たん、供給不足による停電、燃料高騰による料金上昇などが考えられる

電力自由化のメリットは、「電力会社を自由に選べる」
「料金の引き下げが競争によって期待できる」など様々ですが、今後出て来る可能性のあるデメリットが考えられます。

ここでは電力自由化によって生まれる可能性のあるデメリットを紹介していきます。

電力自由化により倒産する企業が…

デメリットの1つとしては、電力自由化により、倒産してしまう企業がでてくる可能性があるということです。

供給不足により停電がおきたり、燃料高騰などにより料金が上昇してしまうことがあると考えられます。

地域電力に参入した新電力会社は経営規模の小さい企業も少なくなく、
倒産の可能性がないとはいえません…。

実際、海外でそような事態が起こっているのです。

安くてお得なプランを発表し、新規参入した企業が、一気に顧客を獲得した結果、顧客への対応、資金繰り等が追いつかず、ある日突然、電気事業から撤退してしまい、顧客が大迷惑するという事態が起きてしまう可能性があります。

供給面でのデメリット

電力の供給不足によって、停電がおきてしまうのではないか、と不安になる方もいるのではないでしょうか。

日本の地域電力会社はな岩塩、供給の安定性を保てるように、
様々な努力をしてきました。

通常は電力会社のミスや事故による大規模な停電は起こらないと
考えて良いでしょう。

しかし、電力自由化により、発電設備の保守能力や技術力が異なる企業も多く参入してくると考えられ、発電設備が十分でなかったり、設備投資にお金をかけなかったりするなどの事態が発生し、電力供給が不安定になる可能性があります。

自由化で競争が激しくなっていくと、余分な設備を持たなかった発電事業者は、想定外のトラブルや自然災害が起きてしまった場合、サポートしてくれる事業者を見つけられない可能性が出てきてしまいます。

このような悪条件が揃ってしまった場合、電力供給が不安定になり、
大規模停電が起こりやすくなってしまう可能性があります。

電気料金の上昇

せっかく安くてお得なプランを選んでも、料金が上がってしまう可能性があります。

自由化による事業者の間の競争により、電気料金は安くなると考えられています。

しかし、発電のための燃料が高騰してしまったら、発電コストが上がってしまい、
電気料金がも上がってしまいます。

家庭向けなどの電気料金の水準は国が規制をかけて規制されています。

なので、市民生活に多大な影響を与えるような電気料金の引き上げは、
しっかり時間をかけて審議し、規制しています。

自由化によってもし、それが無くなってしまったら、価格は市場原理により
左右されてしまうため、一気に値上がりしてしまうことも考えられます。

電力会社が投資を控えるリスク

大きな視点になりますが、電力自由化により、電力会社同士の競争が
激しくなってくると、これまで以上に利益を上げなければならなくそれを重視
せざるをえなくなります。

その結果電力会社は短期的な利益を追求することとなり、長期的、大規模な投資を
控える可能性があります。

大規模な発電所を造ることは、非常に大きなリスクとなってしまうからです。

電力会社が投資効果が低い、過疎地や離島などに投資をするという気運が低下
してしまい、そのような地域の生活環境の維持や向上がおろそかになってしまう
可能性があります。

日本の電力会社は地域独占を許されている見返りに、しっかり発電、配電、送電
などに設備を投資し、過疎地などの経営的にあまり儲からないような地域もケア
するような姿勢で事業に取り組んできました。

今後もしかしたら、そういうことは言ってられない、というようなことになる
可能性も出てきてしまいます。

過疎地に住んでいる人に電力が安定供給されなくなってしまったり、様々な
プランも提供されずに、場合によっては電気料金も今までより高くなってしまう
ことも出て来るかもしれません。

都市部のサービスがどんどん良くなっていっても、過疎地などの一部の地域は
どんどん生活が不便になってしまうことも考えられます。

このようなことは、電力自由化が進んでいる海外で起こっていることです。

今後は、電力会社各社が、社会全体、地方の方々に対するサービスの向上や、
便利で豊かである生活を、社会責任として考えていく必要が出てきます。

このような事態を想定した対策

電力小売の全面自由化にあたり、小売電気事業者を登録制にしています。

登録する際は、電力の安定供給や経営体制など、厳しく審査されます。

登録されている小売電気事業者は、経済産業省のホームページで確認することができます。

4月28日現在、291社が登録されています。

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