東京電力は山梨県と共同で新しい電力供給ブランド、
やまなしパワーを2016年4月から開始しました。
このブランドは一般家庭に電力供給を行うのではなく、
山梨県内の中小企業を対象にしていることが大きな特徴です。
電力会社と自治体のタッグ
やまなしパワーは東京電力と山梨県が共同でサービス提供をする
少し変わった形を採用しています。
電力自由化であらゆる会社が参入できるようになり、
共同で事業を行う会社もありますが
会社と自治体というのは珍しい組み合わせです。
しかもその対象は一般家庭ではなく
山梨県内の中小企業限定ということで注目を集めています。
たしかに企業は一般家庭以上に電力を必要としますから売電先として魅力的なのは
間違いありませんがこの取り組みにはそうした利益以外の狙いも含まれており、
むしろそちらの狙いがメインとなっているようです。
東京電力と山梨県のメリット
この2つの組織が地元の中小企業へ電力を供給するメリットはそれぞれ違います。
東京電力では山梨県の企業局が運営する20箇所以上の水力発電所の
電力を買い取って中小企業へ電力を供給することでクリーンエネルギーを
確保できるようになり、さらに中小企業へ投資するようなものだと
考えれば地域経済の発展にも貢献できます。
つまり企業として利益を追求するだけでなく環境問題への取り組み、
地域経済への配慮などもアピールできるわけです。
山梨県としては売電による収入が見込め、
県の経済が潤えばそれは県民にとっても大きなメリットになります。
県が嬉しいことは県民にとっても嬉しいことなのです。
これは電力自由化による
電力の新しい未来を予想させる取り組みではないでしょうか。
それくらい画期的で斬新なアイディアなのです。
中小企業のメリット
電力供給を受ける中小企業にもメリットがあります。
やまなしパワーはこれまでよりも安価な電力を供給しますので
事業運営にかかるコストを削減でき利益の向上が見込めます。
山梨県に限った話ではなく全国的に見て中小企業は電力コストに
悩まされていますからその問題を解決するきっかけになる可能性は
十分にあるでしょう。
中小企業がコスト削減をできれば経営状態が良くなるだけでなく
人員の雇用にも繋がる可能性がありたくさんのメリットが生まれるのです。
中小企業が対象なので私達一般家庭には関係ないことのようにも思えますが
私達の生活にも影響を与える部分は少なくありません。
その意味ではやまなしパワーの今後に注目です。