電力事情

過度な売り手市場が引き起こしたカリフォルニア電力危機とは?電力自由化で起こりうる問題点。

■カリフォルニア電力危機とは?■■
カリフォルニア電力危機とは、2000年夏から翌年にかけてカリフォルニア州で、電力会社が十分な電力を供給できなくなり、停電がたくさん起きたという事件です。これは、電力自由化によって、電力会社の負担が負担が大きくなってしまったことに原因があります。電力会社は州の環境規制により環境負荷の少ない電力を一定量割高で購入する義務が課されていたため、当初から自由化が経営上の負担になってしまったのです。結果的に電力消費が多くなる時期に、電気の発電会社から電力会社に販売する電気の値段が極端に上がってしまい、電力会社から家庭に配給する電力量が減ってしまい、大規模な停電が何度も起こってしまうような事態が発生してしまったのです。結果的に電力会社は経営を急速に悪化させ、2001年4月には大手電力会社3社の一つであるパシフィック・ガス&エレクトリック社が破綻することにまで追い込まれました。この事態はすぐには収束せず、ついには当時の州知事であったグレー・デービスがリコールされるまでにこの問題は発展していきました。これは、電力自由化と政府の思惑が全く一致しなかったことで起こってしまった問題であり、これからの日本でも十分起こりうる問題なのです。

■電力自由化で日本でも起こりうる問題とは?■■
電力自由化というのは必ずしもいいことばかりとは限りません。アメリカだけではなく、電力自由化で日本でも起こりうる問題は様々ありますし、すでに起きてしまっている問題もあります。ここからは、電力自由化で日本で起こりうる問題について紹介していきます。すでに日本では電力自由化バブルと呼ばれる問題が発生してきています。電力自由化によって各企業が火力発電所を建設する計画を打ち出しています。首都圏では合計1300万キロワット分の火力発電所の建設計画があるそうです。この1300万キロワットという数字は原発13基分もの出力に相当する量で、これによって電力の供給余剰が起きてしまう可能性がでてきているのです。首都圏だけで原発13基分もの火力発電所が新たに稼働するというのは、過剰な設備となる可能性が非常に高いといえるのではないでしょうか。競争の激化により電気料金が下がる効果も期待できますが、行き過ぎると供給の不安定化を引き起こしてしまいかねません。電力自由化にともなう規制などをきちんと設けないと、日本でもアメリカのように電力供給が不安定になりかねません。

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