電力事情

どうしてガス会社が電力市場に参入してきたの?その裏には2017年のガス自由化が関係している?!

電力小売市場が自由化されたことはよく知られていますが、
驚いたのはそこへガス会社が参入してきたことです。

なぜ電力にガス会社が・・?と不思議に思った方もおられると思いますが、
今回はその理由について調査してみました。

すでに電力分野で実績のあるガス会社

ガスと電気は別々で何も関係ないじゃないか・・と思われるかもしれませんが、
実はそんなことはありません。

ガス会社の中には、電力分野ですでに実績を残している会社があり、
そういった会社では早くから独自の電力施設を設けたり、
高圧電力における供給を行ったりしています。

簡単にいえばすでにガス会社でありながら電力会社としても活躍しているのであり、
二刀流として、ガスも電気も、両方を供給することができるのです。

最も分かりやすい例えは、株式会社エネットでしょう。

こちらは2000年に設立された新電力会社ですが、
この会社の出資者の中には「東京ガス」と「大阪ガス」も含まれています。

つまりかなり前から堂々と、ガス会社が電力会社を設立していたのです。

このようなわけで、ガス会社が電力サービスの参入するのには、
それなりの下地があったことが分かります。

ガスだけではやっていけない可能性

ガス会社が電力市場に参入してくるもう一つの理由は、
ガス会社を取り巻く環境が激変したことです。

どう激変したかというと、電気技術の発達により、
今は電気一つで調理も湯沸しもできるようになり、
相対的にガスの需要が低下したことです。

電気でエネルギーの全てを賄えるようになれば契約者にとっても便利だ・・
今はそうした考えに流れが傾いています。

こうなるとガス会社はエネルギー市場でのシェアを失うことになるため、
そこに危機感を抱いて、自らも電力市場に参入しようと考えたわけです。

つまり、これからはガスだけではやっていけない、
ガス以外のサービスも開拓しなければならないと考えたのです。

そしてそのことが、ガス会社の電力市場参入へと繋がりました。

都市ガス小売自由化への懸念

ガス会社が電力市場に参入してきた理由、実はもう一つあります。

それは、2017年4月から都市ガスの小売自由化が始まることです。

都市ガスの小売販売が自由化されるということは、
これまで認められていなかった異業種の企業が
たくさん業界に参入してくることを意味します。

つまり、これまでよりライバルが増えて競争市場になるということですが、
競争市場が活性化すれば既存のガス会社はこれまでの売り上げを
失ってしまう可能性があります。

その懸念を払拭するため、
既存のガス会社は電力市場に参入して売上確保を行おうとしているのです。

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