電力事情

日本以外に電力自由化している国はどこ?国別に他国の電力自由化事情が知りたい!

日本以外にも電力自由化を進めている国は存在します。ここでは他国の電力自由化事情を紹介していきます。

ドイツ
ドイツでは家庭向けの電力市場が、1998年に完全に自由化されました。その規模はおよそ4000万世帯に及びます。しかしドイツの電力自由化は利用者からすると、成功とは言えないものになってしまっています。そもそもドイツでの電力供給はそれぞれの地域ごとに供給会社が存在するというものでした。現在でも、これらの地域ごとの電力会社を中心として、なんと1100という数の電力会社があり、すべて合わせると1万種類を超える料金プランが提供されています。なかでもベルリンやフランクフルトなどの主要都市の住民にとっては、100社近くの電力会社の選択肢があるのです。
言ってみれば「自由すぎて困っている」という状態で、どの会社を選んだらいいのかわからないのです。こうなると「電力・ガス料金比較サイト」が役立つはずなのですが、そのサイト自体も100個以上あるという始末で、住民にとってはとても複雑な電力市場となってしまっています。

フランス
フランスでは2007年に電力自由化が行われました。フランス国内では、従来電力に関しては「EDF」、ガスに関しては「GDF」という企業がそれぞれの市場をほとんど独占のような形で提供していました。そして2007年に電力自由化が行われてからは、電力会社のEDFがガス業界に参入、ガス会社のGDFが電気業界に参入することになり、それぞれの業界を独占していたもの同士での市場競争が始まったのです。
これに加えて新たに業界に参入してくる企業があったり、国内のある地域に特化して活動していた電力会社が全国的な展開を始めたりといったこともあり、現在フランスでは全国規模で電気やガスの市場に参入している企業が12社になっています。また、これに地域限定で展開している企業を合わせると、その数は160社を超えるとされています。

イタリア
イタリアでは、フランスと同じく2007年に電力自由化がスタートしました。2007年以前のイタリアにおいては、電力は「ENEL」、ガスは「ENI」という企業がフランスと同じようにそれぞれの市場を独占的に提供していました。現在はどうかというと、電力市場はENELのシェアが約80%、2位のACEAが4.2%、3位のEDISONの2.4%という具合で、電力市場に関してはENELがいまだに圧倒的なシェアを誇っています。電力自由化されてからもほとんど市場を独占している形は、フランスと似たものになっています。
これに対してガス市場は独占態勢が崩れてシェアが割れています。1位のENIが30%、2位の14.2%、そして3位にはフランスのGDFが4.9%のシェアで割り込んでいて、国外の企業との競争も始まっています。

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