電力事情

多くの会社が参入しているけど、最終的に淘汰されていくの?ドイツの例から読み解く、自由化後の状態とは。

■ドイツの電力自由化とは??■■
ドイツの家庭向け電力自由化市場は1998年に完全自由化されています。約4000万世帯、市場規模として4.5兆円もの市場開放でした。ですが、ドイツの電力自由化は成功したとは言えません。ドイツには歴史的な背景もあり、電力会社は地域ごとに供給会社がありました。現在でも、地域限定系の電力会社をメインに1100もの電力会社が、合計すると1万種類以上に及ぶ電気料金プランを提供しています。特にベルリンやフランクフルトなどの主要都市に住んでいる消費者には、約100社近い電力会社の選択肢があります。こんなにも電力会社があると、どれを選べばいいか全くわかりませんよね。そこで、フランスなどでも取り入れられていた電力会社比較サイトが設立されたのですが、そのサイトが1000以上もできてしまい、まずどのサイトを利用すればいいのかわからないという致命的な問題が起こってしまいました。ドイツの電気市場は消費者にとって全く優しくない、本当に複雑な電力市場になってしまったのです。ドイツの電力自由化における最大の問題点は、消費者の信頼を失っている点にあります。特に、その傾向は、新電力に対して顕著で、消費者は電力自由化前からある電力会社の大企業に立ち返っているという状況にあります。。

■ドイツの電力自由化から学ぶ ■■
では、ドイツの電力自由化からどのようなことを日本は学んでいくべきかということについて紹介していきます。ドイツの新電力企業は、初年度を大幅に割引を提供した「新規入会キャンペーン」を数多く展開しています。一方でその中には、小さく「いついつまでに解約しないと、自動的に契約更新」などの条項があり、翌年度からは非常に高額な料金を請求されるケースもあります。その結果、新規電気事業への消費者の信頼は失われていきました。日本も新規顧客を獲得するために様々なキャンペーンを展開しています。そのキャンペーンが悪いわけではありません。サービスの内容をきちんと整備することが必要なのです。さらに、電力会社比較サイトにも注意すべきことがあります。ドイツの電力会社比較サイトでは中立性のない紹介がなされ、これも消費者の不信感をあおる形になりました。本来は、電力・ガスの比較サイトが中立的に消費者目線で監視し、情報を公開していくべきなのです。ですので、日本の電力会社比較サイトはしっかりと中立性を保ちつつ、電力会社紹介をしていかなくてはなりません。

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